研究内容

Research Overview

研究室コンセプト・理念

過酷な実環境に挑む現場指向のコンピュータビジョン

深層学習や生成AIが急速に進歩する現代において、潤沢なデータを前提としている研究は多くあります。しかし、産業現場・動的環境・創作の初期段階・生活空間などの社会課題では十分な学習データが得られないのが現実です。

そこで、限られたデータ条件のもと最先端の深層学習モデル・数理アルゴリズム・光学系処理を統合し、実運用に耐えうる認識システムを開発しています。データセット設計からモデル拡張、NVIDIA Jetson等のエッジデバイスやWebシステムの実装まで幅広い研究を展開しています。

主要研究コア領域

産業インフラ・外観検査・自律点検AI

事前に全容を網羅できない異常データに対し、正常データのみから未知の欠陥をピクセル単位で特定するアルゴリズムや、実動エッジシステムを開発しています。

送電線・鉄塔作業者の安全点検監視システム

自走式ロボットの鏡像光学系による電線全周撮影・難着雪リング損傷検出や、定点カメラ映像から作業員の危険領域接近を自動警告するWebアプリを構築しています。

過酷環境・生物対象のロバスト物体検出

水槽内を泳ぐ魚のように、遮蔽・照明変動・ボケが重なる動画像に対し、統計的後処理を応用した過検出のない高精度カウントシステムを開発しました。

動的環境・高速動体追跡センシング

激しい運動・急加速・強烈なモーションブラーによって追跡対象を見失う問題に対し、品質管理と多モデル統合で極限状態の追跡を実現します。

強ブラー環境下におけるマルチモデル優先統合追跡

高速回転する対戦コマ等を対象に「ブラーなし」「曖昧」「ブラーあり」の3クラスアノテーション基準を設計。複数モデルの優先度統合と運動一貫性により、追跡破綻を防ぐ高い安定性を実現しました。

ゲーム・eスポーツ画面のリアルタイムセンシング

シューティングゲームにおける陣地支配率のリアルタイム回帰分析、FPSゲームのエイム評価のための敵検出、カードゲーム対戦記録の自動フィールドログシステムなどを展開しています。

クリエイティブ支援・メディアAI

自動生成にとどまらず、人間の制作プロセスに伴走し、下絵やラフ画などの粗い情報から構図や姿勢破綻を検知・支援する協調型AIを展開します。

イラスト下絵からの構図推薦・注視点推定

ラフ画から領域を高精度検出し、日の丸構図や3分割構図へ最適配置するシステムを開発。キャラの視線ベクトルを推定し、最適な余白設計を理論的に導きます。

アオリ構図における人物姿勢の破綻検出

作画難易度の高いアオリ構図において、実写加工画像と少数の下絵を掛け合わせたデータセットを構築。物体検出と回帰モデルによる姿勢推定で角度の破綻を検知・修正支援します。

作画プロセスと質感表現の高度化

アタリから線画への変換補助や、厚塗り作画における不備指摘・スタイル変換など、クリエイターの表現力を拡張する技術を開発しています。

人間・動作・ライフスタイルセンシング

特殊な装着センサーを使わず、一般的な単眼カメラ映像のみから人間の身体状態や環境変化をセンシングする手法を提案しています。

筋トレ映像からの筋疲労推定

表面筋電位(EMG)を装着せず、ダンベル運動のカメラ映像のみから筋疲労指標の変化を非接触可視化。

楽器演奏における力み判定

スネアドラム打撃動作を骨格推定で解析し、肩の力みやリラックス度を可視化してフォーム改善を促す独習支援システム。

背表紙検出と蔵書管理

傾斜・密集した本棚から回転矩形(OBB)で背表紙を切り出し、文字認識とLLMを連携して未所持巻の判定や重複購入防止を行う。

聖地巡礼ガイドカメラ

イラストと実写のドメイン差を克服し、アニメ等の劇中構図・カメラ姿勢(roll/pitch/yaw)のズレをリアルタイム指示。

定点カメラ映像からの着衣傾向・トレンド分析

街頭ライブカメラの通行人映像から袖丈などを識別し、気温変化等に応じたリアルタイム服装トレンドを視覚化します。